コラム
【読むHealing】よろこびあうものと暮らす
よろこびあうものと暮らす
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お茶をよく飲みます。
お茶の種類によって器をたのしみます。
そのなかでも紅茶を楽しむための器があります。
紅茶を愉しむためのカップのなかで
ウェッジウッドのピオニーというカップデザインを
私は世界で一番愛しています。
このカップ特徴は、ハンドル(取っ手)のゆるやかな曲線大きさ、
そして器とハンドルから放たれる開放感は
ピオニー=芍薬の花を彷彿させるものです。
特にこのハンドルは持った人にしか分からない魅了があり
そこが私の「世界で一番」なところです。
特にプシュケ(永遠の愛の絆)というテーマのカップが好きで
「大好き!!」を公言していたころ、いくつか贈り物でいただきました。
本来のプシュケのカップは
エメラルドグリーン&プラチナ&ゴールドのカラー。
私の一番のお気に入りはローズピンク色のプシュケ。
こちらはスペシャルカラーです
ギリシャ神話のキューピッドとプシュケの物語から
インスピレーションを得て作られたカップ、
それが「プシュケ」です。
神の子キューピッドと人間のプシュケ。
あるひとつのきっかけで出会うこととなった2人は
試練を乗り越え、神と人との領域を超え結ばれました。
その後プシュケは神々の仲間入りをし
キューピッドとプシュケの間に
ウォルプタス(喜び)という名の娘が生まれました。
ウェッジウッドのプシュケのデザインは
継ぎ目のないリボンモチーフは愛の絆を表し
試練を乗り越えて結ばれた彼らの象徴でもあります。
たまたまカップのデザインが好きだったということと
そのテーマとなったギリシャ神話のお話が
昔から読んでいたものであったことが繋がったことは
偶然の結びつきなのかもしれませんが
それは私にとっては偶然のつながりではなく
昔からギリシャ神話に慣れ親しんだ時間があったからこそ
自分自身にとってお気にいりのカップが
更にちいさな喜びにつながっていったのだろうと思います
祖母の家にあったとても古い本のひとつ。
そのギリシャ神話は時に愉快に、時に哀しみに、時に恐れにと
私にとって時間を忘れるほどの面白い読み物でありました。
それがお気に入りのカップを使うだけではなく
更にその時の記憶を愉しませてくれるものとして
生活のよろこびのひとつとなりました。
カップつながりの話として、もうひとつ。。。
コーヒーを愉しむために
私が世界で一番愛しているカップは
マイセンの波の戯れシリーズのモカカップ&ソーサー。
波が遊ばれて生まれたような佇まいに
縦長のカップのシルエットが
コーヒーを更に薫り高く引き立て
個人的にコーヒーの本質を底上げしてくれるのです
これは銀座の一角にあるシンプルなカフェで
出逢った器でした。
今、自分の手元にも同じカップがありますが
あのカフェでいただいた時の心地よさは
いまでも忘れることが出来ない、喜びの記憶です。
日々の器も
特別なときの器も
ちいさな喜びと添うものが好きです。
器に限らず、自分にとって
日々のよろこびがあるものと暮らす選択をすることは
また新しい世界を拡げてくれるもの。
価格の高低でもなく
自分のエナジーに添うもの
手に持つときの空気感
くちびるに触れるときのよろこびの感触
目と目があうようなときめき
そこに「よろこび」が生まれるもの、そして
よろこびあうものと暮らしているのだと
感じる日々。
わたしたちの心のなかを
あたたかくやさしい光が
灯り続けるものだと思うのです。
コラムニスト
川村かなえ
クリスタルボウル演奏家/三昧琴演奏家/音響振動療法家/ボイスアーティスト
長年「音とからだとこころ」に携わってきた実践経験を元に、舞台人として演奏家として、クリスタルボウル及び三昧琴演奏・ボイスパフォーマンスの活動を行っています。また、28年以上に渡る活動を通じ「トーンカウンセリング」というパフォーマンスメソッドを土台にボイスプラクティス、メンタルカウンセリング、サウンドセラピー、ワークショップやパフォーマンスコンサルテーションなどを国内外のクライアントを中心に行いながら、人生を豊かに過ごすための身心の取り扱い方を伝えています。
パフォーマンス(ボーカル/クリスタルボウル/三昧琴)通算数は1000ステージを超え、クライアントセッション数は2021年現在、延べ12000人以上。セッションのクライアントは日本国の他、アメリカ・イタリア・フランス・カナダなど。
川村かなえの身体から繰り広げられパフォーマンスは時を忘れさせるほどの深い慈愛の響きをあらゆる身心にもたらし、世界は「命の音」「水の音」「地球の音」「空(くう)の音」と称賛されています。また、これまでの多彩な経験の中で授かってきた多様な視点やインスピレーションを、セッションやワークショップを通して手渡す在り方は現実的かつ唯一無二の癒しを得ると多くの声を受けています。